消費税が一括で払えないとの声が広がり、各地の民主商工会(民商)は「換価の猶予」制度を活用しています。「分納できるので負担が軽くなった」「延滞税率が低くなった」と喜ばれています。
粘り強く交渉重ねて
群馬・前橋民主商工会(民商)のYさん=廃棄物処理=は6月5日、税務署長の職権による「換価の猶予」を実現しました。猶予期間は1年、12回に分けて5万円ずつを納付します。「あきらめないで交渉することが大事。換価の猶予が実現してひと安心」と話しています。
Yさんは2014(平成26)年に職権により換価の猶予が実現し、その後も分割で納付を続けてきました。本税は滞納がなくなったものの延滞税が残っていました。
今年は55万円の消費税が発生しましたが、取引先が減って売り上げが確保できず、一括で納付できなくなりました。事務局員とも相談し、収支と家計の状況が分かる資料を作成して税務署と交渉。併せて延滞税も納税計画を示し、職権型「換価の猶予」が認められました。
民商に相談して申請
「確定申告はしたけれど消費税が一括で納められない」と悩んでいた京都・南民商のIさん=印刷=はこのほど、申請型「換価の猶予」を実現。4月から2020年3月まで12回に分けて5万円ずつを納付します。
下京税務署に55万円の消費税の分納を申し入れたところ、応対した署員から「換価の猶予」の申請書が手渡されました。
初めての申請に書き方が分からず民商に相談。事務局員と相談しながら「換価の猶予申請書」や「財産収支状況書」を作成し4月12日、提出しました。税務署から電話で銀行口座に関する問い合わせが一度ありましたが、5月16日、「換価の猶予許可通知書」と納付書が送られてきました。
Iさんは「初めてで少し戸惑ったけれど、民商で記入の仕方の相談に乗ってもらえたので意外と簡単だった。毎月、安心して納められる」と話しています。