県創業融資で200万円 粘り強く交渉重ね=広島・福山民商

広島・福山民主商工会(民商)の太田俊明さんは、県の制度融資を活用し6月初旬、200万円の創業支援融資を実現しました。今年に入って法人を設立したばかりで、「民商の応援もあって実現できました」と笑顔いっぱいです。
太田さんが4月に立ち上げたのは、総合建築業のヒューマン・フィーリングス株式会社。それまでは建築関係の会社に勤めていたものの「経験を生かして独立したい」と、創業したものです。
ところが、設立の費用が予定以上にかさんだこともあって、政策金融公庫に融資を相談しましたが、「融資の受付は会社登記が完了する5月22日以降になる」と言われました。
さまざまな支払い先もあり、焦りが生まれていた時に「融資の相談だったら民商」と、紹介してくれたのが、会員でもある知人の元石勝美さん=左官=でした。
事務所で相談に乗った民商事務局は、太田さんの悩みをしっかり受け止めながらも「焦る気持ちはわかるが、大事なのは今」とアドバイス。一緒になって事業計画を練り直し、広島県の制度融資(創業支援資金=融資期間5年、利率年1・1%)を活用し、200万円の運転資金融資を申し込むことにしました。
しかし後日、信用保証協会から「建設業許可を持っていないにもかかわらず、500万円の受注工事の明細書がある。これでは融資できない」と連絡が。太田さんは県庁の建築課に直接、「私の会社は元請けから一括して受注を受ける総合建築工事を行っている。1500万円までは建設業許可が要らないのではないか」と談判。自分の仕事内容を説明し、建築一式工事に該当することを確認しました。
この後、太田さんは民商と一緒にあらためて信用保証協会を訪問。仕事内容とともに、元請けや取引先からも信頼され、法人化した経緯を説明。保証協会の担当者も「県に確認し、融資の対象になるか検討し、再度連絡します」と回答しました。
そして6月9日、200万円満額の融資実行の連絡が届きました。太田さんは「応援していただいた皆さんの期待に応えられるよう頑張ります」と喜んでいます。

全国商工新聞(2017年7月17日付)

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