岡山県商工団体連合会のブログです。県連からの連絡や会議、署名、全国的なニュースや情報をお知らせします。
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民商の要望実る
京都・右京民主商工会(民商)も加わる右京区社会保障推進協議会は7月18日、京都市右京区役所の国民健康保険(国保)課長と懇談。これまで国保料の滞納がある場合、交付が制限されていた、市の高額療養費制度の限度額適用認定証(注)の交付要件が4月から緩和されたことが判明しました。「滞納者には限度額適用認定証の交付をしないという制裁措置をやめよ」と、民商が2012年以来、毎年行ってきた要請が実ったものです。
京都市は従来、「国保料滞納額の半分以上を納付し、
年度末(5月末)までに完納する計画」ができれば、限度額適用認定証を交付することを内規で定めていました。
今回、国保課長は「4月から内規により、国保料の滞納があっても分納計画を作成し、分納が履行されていれば、限度額適用認定証を交付する」と回答しました。
さらに「分納計画は年度末までの完納計画でなければならないなどの制約はない」「2万円の分納を約束していたものが、資金繰りの悪化で1万円に減額しても、その分納を区役所も承認し、履行されていれば問題ない」「分納計画を確認し、まだ1回目の納付期日が到来しておらず、納付が実行されていない場合でも交付する」と言明しました。
重い医療費の改善を求めて=右京民商
民商では2011年8月、会員のYさん(仮名)=化粧品販売=から、限度額適用認定証の相談が。2010年に夫が失業、裕美さんの事業も厳しい状況で国保料を滞納する中、中学生の娘が入院することに。右京区役所に限度額適用認定証の交付を求めたものの「国保料を滞納しているので交付できない」と断られました。結局、3カ月の入院で、病院窓口でいったん立て替え払いをしなければならない請求額は約96万円に上りました(申請により自己負担限度額を超えた金額は後日払い戻しが可能)。「とても払えない。どうしたらいいか」との相談でした。
民商は早速、Yさんと区役所に行き、高額療養費の給付請求権は本来、国保法110条で2年ですが、経緯を踏まえ、レセプト資料等の保管期間の5年以内であれば請求できると確認。その上で、病院に対し毎月2万円ずつ支払い、入院費用1カ月分を完納するたびに高額療養費の請求を行い、それを入院費の支払いに充て、できるだけ早く完納することで了承されました。
その後、高額療養費の給付請求は厳格に2年以内とされ、国保料滞納の制裁措置として限度額適用認定証が交付されなければ、必要な医療が受けられず、命さえも奪われることになりかねません。
京都府商工団体連合会は対市交渉でこの問題を追及。「資格証明書や短期被保険者証の取り扱いと同様に、機械的に一律の対応を行っておらず、個々の世帯の状況等を十分に聴取するなど、きめ細かな対応の上、交付についての判断を行っている」(14年)との回答を得ましたが、区役所窓口の対応は改善されませんでした。
交付要件の緩和を知ったYさんは、「あの時は本当に惨めだった。父の看病もあり、私自身、看護師から入院を勧められたほど。限度額適用認定証が交付されていたら、あれほど苦労しなくて済んだ。今は滞納はないが、4月からこうした措置が取られて、ホッとした」と笑顔でした。
▽注・高額療養費制度の限度額適用認定証とは
高額療養費制度とは、病院や薬局の窓口で支払った額(入院時の食費負担や差額ベッド代は除外)が、月の初めから終わりまでで一定額を超えた場合、その超えた金額が支給される制度。負担の上限額は、年齢や所得によって異なる(別表)。いったん窓口で請求された医療費の全額を支払い、後日申請することにより、差額が払い戻される。支給まで、受診した月から少なくとも3カ月程度かかる。
限度額適用認定証は、病院窓口での立て替え払いを避けるため、医療機関ごとに、ひと月の支払い額を自己負担限度額までに抑えられる認定証。事前に、市区町村国保課などで申請し、医療機関の窓口に提示することで、当座の医療費負担が軽減される。
中央社会保障推進協議会(社保協)は7月19日、第2回国保都道府県化対策会議を静岡県伊東市内で開催し56人が参加しました。
政府は2018年4月から国保都道府県単位化を決定。各都道府県では、市町村との協議、都道府県国保運営方針(案)の決定、国保運営協議会設置などの準備が進められています。
これに対し、各地の社保協は、保険料(税)の試算状況を把握しつつ、保険料の引き下げ、減免拡充などを求め、自治体への要請、懇談、キャラバンを進めてきています。対策会議では、この取り組みについて交流し、今後の運動について意思統一を図りました。
5月15日から1カ月間に40市町村に対する「国保緊急キャラバン」を実施した大阪社保協は、「こんな準備状況では2018年4月スタートは無理だ」「統一なんて絶対に無理」「保険料が下がるならまだしも、上がるなど市民に説明ができない」など、自治体側にも動揺が広がっていることが報告されました。
大阪社保協の寺内順子事務局長は、「具体的な数字が出て情勢は一変した。統一することでデメリットしかないということに直面し、市町村が大きく揺れている。府議会と市町村議会に向けた請願を強めていきたい」と今後の展望を語りました。
埼玉県は、「国保加入の19.9%が滞納。滞納世帯のうち所得200万未満が76・4%にもなる。高過ぎて払えない保険料は、加入者のいのちと暮らしを脅かす。県民コメントで意見を反映させるとともに、県自治体への要請を強めたい」と決意を表明しました。
愛知県からは、「統一保険料は考えていない。標準保険料は出すが、あくまで保険料は市町村が決めるもの。今の保険料水準を維持するよう努力していくとの回答があった」との報告が、沖縄県からは意見書が採択され「知事は市町村に寄り添っていきたいと述べた」など各地から報告が続きました。
中央社保協の山口秀一事務局長は、「試算の公表を突破口にし、2018年4月実施の延期の検討を求め、併せて国庫負担の増額を求める国への意見書運動」を全国的に進めていくことを呼び掛けました。
判決控え決起集会
国、東電の責任を問い、原状回復と賠償を求め福島地裁に提訴している生業訴訟の原告団・弁護団は7月24日、福島市内で「オール福島決起集会」を開催しました。10月10日に出される生業判決を機に潮目を変え、来年3月まで連続する各地の被害訴訟判決に向けた多彩で積極的な運動方針を確立することが目的。千葉、大阪などでたたかっている被害訴訟の原告、弁護団、各団体代表など100人を超える参加者で会場がいっぱいになりました。
中島孝・生業訴訟原告団長が、「この裁判の勝
利を足掛かりに、国に政策をつくらせ、原告だけでないすべての被害者を救済すること、そして二度と事故を起こさないために原発をなくすこと。これが最終目標だ」とあいさつ。
南雲芳夫弁護団幹事長が、4年に及ぶ生業訴訟の裁判を振り返るとともに、生業訴訟判決は(1)国・東電の重大な責任を明確にし、決着をつける(2)中間指針の賠償基準が被害の実態に照らして不十分なことを明らかにする-という二つの意義があると強調しました。
馬奈木厳太郎弁護団事務局長は、国、東電による「福島切り捨て」の根底に「20ミリシーベルト」以下は、安全で損害もないなどとする「20ミリシーベルト受忍論」があるとし、これを打破する「総がかり」の取り組みをつくろうと呼び掛け、運動の観点について訴えました。
各地の原告・弁護団、各団体が発言。「お互いの被害を知ることが大事」「千葉も原告・弁護団もオール福島の一員」「国、東電の責任を追及し、みんなでつながっていくことが大事」などの発言が相次ぎました。
活動方針として、10・10判決当日と、それ以降の行動を提起。判決当日は、東京、福島それぞれでデモ行進、裁判所包囲行動、東電本社、国会前でのアピール行動を行うこと。判決の翌日以降は、中間指針の見直しを求める要請行動や国会議員要請、判決報告集会を連続的に行うことを提起しました。
署名運動強化を
また、判決に向け「公正な判決を求める」署名運動のさらなる強化、福島県内外での支援組織の強化・確立、県知事、県議会各会派、主要自治体への支援要請など多彩な行動を展開することを確認しました。
集会は最後に、国・東電による被害者への真摯な謝罪、被害の実態に応じた誠実な賠償などを求めるアピールを採択しました。
来賓として日本共産党から岩渕友参院議員はじめ、福島県議団、仙台市議団が出席。民進党からは増子輝彦参院議員(代理)が出席し、同党の金子恵美衆院議員がメッセージを寄せるなど、市民と野党の共闘を実感する集会となりました。
北海道商工団体連合会(北海道連)は7月5日、マイナンバー廃止、社会保険強制加入、風営法問題など6項目の問題で日本共産党国会議員団と懇談しました。独自の懇談は初めてで、要求実現に向け活発な意見交換が行われました=写真。
石塚隆幸会長はじめ札幌市内の4民主商工会(民商)の9人が参加。紙智子、岩渕友両参院議員、畠山和也衆院議員の3人の国会議員と秘書など9人が出席しました。
池田法仁事務局長が6項目の要望事項を説明。参加者も実態を交えて報告し、国への働き掛けや国会での審議を要望しました。
マイナンバー廃止要望では、「行政の利活用優先姿勢を改めさせてほしい」と要望。社会保険の強制加入問題では、加入してもすぐに保険料を払えず滞納・差し押さえ相談が増えていることが紹介され、「小規模事業者に対する社会保険料負担の軽減法案なども研究し、他党と共同で法案提出を検討できないか」と提案しました。
消費税増税反対と税制改正等の問題では、税率5%、免税点を3000万円に戻すこと、軽減税率・インボイス導入の撤回、生活費非課税・応能負担の税制実現の要求を伝えました。札幌東部民商の草野祐二副会長は「倉敷民商弾圧事件」にふれ、自主申告納税制度を発展させる方向で税理士法の研究・改正を要望しました。
所得税法56条問題では、国連の家族従業員の無償労働解消や女子差別撤廃勧告を受け入れ、早期に是正する論戦や働きかけを要請。スナックのママたちが風営法の許可を取らずに「接待」(カラオケでデュエットなどをすること)したとして逮捕されている問題では、「風営法の過度な規制が健全なススキノを壊している」とし、接待基準の改正などを強く求めました。
また、40年以上継続している札幌市豊平区の盆踊り実行委員会に対して、公園使用許可条件として署名コーナーの設置禁止、のぼり旗の設置禁止などを条件とするなど、常軌を逸した不当介入が行われていると指摘。「表現の自由を脅かす行政の不当介入の改善」を強く求めました。
地場産業・資源を活用
安倍政権が進める「地方創生」は、国際競争力の強化と人口減少を想定した地域の再編が中心で、地域間格差を拡大し、経済の疲弊に苦しむ地方自治体を衰退させます。
こうしたなか、小規模企業振興条例制定を力にしながら、地域の産業・資源を生かした地方自治体独自の地域振興の努力も生まれています。
パネルディスカッションA(9月2日16時から、アイプラザ豊橋・講堂にて)は、「地域振興の実践に学ぶ」と題して、住民本位、中小商工業者が担い手となる真の地域再生の道を、各地の実践から探求します。
パネリストは独自の地域振興策で注目されている島根県雲南市、兵庫県篠山市の担当者と長野県阿南町の飲食店経営者の3人。コーディネーターは永山利和・元日本大学教授。
雲南市は、地縁でつながり、地域課題を自ら解決する「地域自主組織」を07年に設立。地域の安心・安全対策に貢献しています。買い物難民対策の「はたマーケット」は、近隣地区の小売店から商品を仕入れ地元のニーズに応えています。
篠山市は、篠山城下町の歴史地区を「ひとつのホテル」と見立てる再生事業に注力。宿泊棟、レストラン、カフェ、工房、シェアオフィス棟など、さまざまな機能を配置するまちづくりを進め、雇用を広げ、若者回帰の促進を図っています。
長野・飯田民商会員の尾崎真理子さんは16年4月、「おどもカフェ」を開業。近くの農家から仕入れた食材を中心に、ヘルシーな定食を提供し、憩いの場にもなっています。学生時代に青年海外協力隊として難民支援に従事。帰国後、総務省が主催する「地域おこし協力隊」に参加したことをきっかけに、阿南町に定住しました。
中小業者として地域振興にどう関わるか、参加者と共に考えます。