「都道府県化」は延期を 国保問題で対策会議=中央社保協

中央社会保障推進協議会(社保協)は7月19日、第2回国保都道府県化対策会議を静岡県伊東市内で開催し56人が参加しました。
政府は2018年4月から国保都道府県単位化を決定。各都道府県では、市町村との協議、都道府県国保運営方針(案)の決定、国保運営協議会設置などの準備が進められています。
これに対し、各地の社保協は、保険料(税)の試算状況を把握しつつ、保険料の引き下げ、減免拡充などを求め、自治体への要請、懇談、キャラバンを進めてきています。対策会議では、この取り組みについて交流し、今後の運動について意思統一を図りました。
5月15日から1カ月間に40市町村に対する「国保緊急キャラバン」を実施した大阪社保協は、「こんな準備状況では2018年4月スタートは無理だ」「統一なんて絶対に無理」「保険料が下がるならまだしも、上がるなど市民に説明ができない」など、自治体側にも動揺が広がっていることが報告されました。
大阪社保協の寺内順子事務局長は、「具体的な数字が出て情勢は一変した。統一することでデメリットしかないということに直面し、市町村が大きく揺れている。府議会と市町村議会に向けた請願を強めていきたい」と今後の展望を語りました。
埼玉県は、「国保加入の19.9%が滞納。滞納世帯のうち所得200万未満が76・4%にもなる。高過ぎて払えない保険料は、加入者のいのちと暮らしを脅かす。県民コメントで意見を反映させるとともに、県自治体への要請を強めたい」と決意を表明しました。
愛知県からは、「統一保険料は考えていない。標準保険料は出すが、あくまで保険料は市町村が決めるもの。今の保険料水準を維持するよう努力していくとの回答があった」との報告が、沖縄県からは意見書が採択され「知事は市町村に寄り添っていきたいと述べた」など各地から報告が続きました。
中央社保協の山口秀一事務局長は、「試算の公表を突破口にし、2018年4月実施の延期の検討を求め、併せて国庫負担の増額を求める国への意見書運動」を全国的に進めていくことを呼び掛けました。

全国商工新聞(2017年8月7日付)

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すべての原発被害者救済を 国・東電の責任追及へ

判決控え決起集会

すべての被害者の救済と原発ゼロへ向けて決意を固め合ったオール福島決起集会

国、東電の責任を問い、原状回復と賠償を求め福島地裁に提訴している生業訴訟の原告団・弁護団は7月24日、福島市内で「オール福島決起集会」を開催しました。10月10日に出される生業判決を機に潮目を変え、来年3月まで連続する各地の被害訴訟判決に向けた多彩で積極的な運動方針を確立することが目的。千葉、大阪などでたたかっている被害訴訟の原告、弁護団、各団体代表など100人を超える参加者で会場がいっぱいになりました。

中島孝・生業訴訟原告団長が、「この裁判の勝

利を足掛かりに、国に政策をつくらせ、原告だけでないすべての被害者を救済すること、そして二度と事故を起こさないために原発をなくすこと。これが最終目標だ」とあいさつ。
南雲芳夫弁護団幹事長が、4年に及ぶ生業訴訟の裁判を振り返るとともに、生業訴訟判決は(1)国・東電の重大な責任を明確にし、決着をつける(2)中間指針の賠償基準が被害の実態に照らして不十分なことを明らかにする-という二つの意義があると強調しました。
馬奈木厳太郎弁護団事務局長は、国、東電による「福島切り捨て」の根底に「20ミリシーベルト」以下は、安全で損害もないなどとする「20ミリシーベルト受忍論」があるとし、これを打破する「総がかり」の取り組みをつくろうと呼び掛け、運動の観点について訴えました。
各地の原告・弁護団、各団体が発言。「お互いの被害を知ることが大事」「千葉も原告・弁護団もオール福島の一員」「国、東電の責任を追及し、みんなでつながっていくことが大事」などの発言が相次ぎました。
活動方針として、10・10判決当日と、それ以降の行動を提起。判決当日は、東京、福島それぞれでデモ行進、裁判所包囲行動、東電本社、国会前でのアピール行動を行うこと。判決の翌日以降は、中間指針の見直しを求める要請行動や国会議員要請、判決報告集会を連続的に行うことを提起しました。

署名運動強化を
また、判決に向け「公正な判決を求める」署名運動のさらなる強化、福島県内外での支援組織の強化・確立、県知事、県議会各会派、主要自治体への支援要請など多彩な行動を展開することを確認しました。
集会は最後に、国・東電による被害者への真摯な謝罪、被害の実態に応じた誠実な賠償などを求めるアピールを採択しました。
来賓として日本共産党から岩渕友参院議員はじめ、福島県議団、仙台市議団が出席。民進党からは増子輝彦参院議員(代理)が出席し、同党の金子恵美衆院議員がメッセージを寄せるなど、市民と野党の共闘を実感する集会となりました。

全国商工新聞(2017年8月7日付)

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風営法など6項目要望 国会議員と懇談=北海道連

北海道商工団体連合会(北海道連)は7月5日、マイナンバー廃止、社会保険強制加入、風営法問題など6項目の問題で日本共産党国会議員団と懇談しました。独自の懇談は初めてで、要求実現に向け活発な意見交換が行われました=写真。
石塚隆幸会長はじめ札幌市内の4民主商工会(民商)の9人が参加。紙智子、岩渕友両参院議員、畠山和也衆院議員の3人の国会議員と秘書など9人が出席しました。
池田法仁事務局長が6項目の要望事項を説明。参加者も実態を交えて報告し、国への働き掛けや国会での審議を要望しました。
マイナンバー廃止要望では、「行政の利活用優先姿勢を改めさせてほしい」と要望。社会保険の強制加入問題では、加入してもすぐに保険料を払えず滞納・差し押さえ相談が増えていることが紹介され、「小規模事業者に対する社会保険料負担の軽減法案なども研究し、他党と共同で法案提出を検討できないか」と提案しました。
消費税増税反対と税制改正等の問題では、税率5%、免税点を3000万円に戻すこと、軽減税率・インボイス導入の撤回、生活費非課税・応能負担の税制実現の要求を伝えました。札幌東部民商の草野祐二副会長は「倉敷民商弾圧事件」にふれ、自主申告納税制度を発展させる方向で税理士法の研究・改正を要望しました。
所得税法56条問題では、国連の家族従業員の無償労働解消や女子差別撤廃勧告を受け入れ、早期に是正する論戦や働きかけを要請。スナックのママたちが風営法の許可を取らずに「接待」(カラオケでデュエットなどをすること)したとして逮捕されている問題では、「風営法の過度な規制が健全なススキノを壊している」とし、接待基準の改正などを強く求めました。
また、40年以上継続している札幌市豊平区の盆踊り実行委員会に対して、公園使用許可条件として署名コーナーの設置禁止、のぼり旗の設置禁止などを条件とするなど、常軌を逸した不当介入が行われていると指摘。「表現の自由を脅かす行政の不当介入の改善」を強く求めました。

全国商工新聞(2017年8月7日付)

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市の設備投資補助金獲得 税の減免制度も活用=名古屋南民商

「事業広げる力に」

名古屋南民主商工会(民商)会員で

市の補助を活用し、新しい機会を購入した竹内さん

「有限会社光南産業」を営む竹内一雄さん=建設機械修理=はこのほど、「名古屋市小規模企業経営力

強化設備投資補助金」(別項1)を申請し、新しい機械を購入。今年5月、購入費の10分の1に当たる115万円を獲得しました。申請から獲得までの流れをリポートします。

親の代から創業50年になる光南産業。売り上げが伸び、新しい機械が必要になりました。仕事仲間に相談すると、「自分も使ったことがある。挑戦してみては」と市の設備投資の補助金を紹介されました。
まずは、千種区吹上にある「名古屋市小規模事業金融公社」を訪れ、機械購入が補助制度の対象かどうかをチェック。3回ほど通い、サポートを受けながら事業計画書などの申請書類を書き上げて、2016年6月27日に提出。7月12日に名古屋市から認定の連絡がありました。
さっそくコンピューター制御のNC旋盤機を1150万円で購入。11月に納入され、資金繰りは、機械購入のための資金や融資で賄いました。
認定後は、「小規模企業経営力強化事業計画」を中小企業診断士の指導(無償)を受けながら作成。4月3日に交付書類の作成を終え、5月2日に115万円の満額の確定通知が届き、請求の後、振り込まれました。
また、今回は(1)償却資産(固定資産税)申告(2)経済産業省の「生産性向上設備投資促進税制」(別項2)の活用で、税の減免も行いました。
「時間はかかったが、市や銀行のサポート体制も良いし、事業計画づくりなどの力もついた」と竹内さん。「新しい機械で、これまでできなかった仕事もできるようになる。使いこなして戦力にし、事業を広げられたら」と展望を語っています。

▽(別項1)「名古屋市小規模企業経営力強化設備投資補助金」
10年以上継続して市内に本社を置く小規模事業者が、市内事業所に設置する機械設備などを取得する場合、対象経費の10%(上限300万円以内)を補助するもの。発注先も市内に本社を置く事業者に限る。
市の小規模事業者向け設備投資の補助金は6年前から開始され、17年度も予算7739万5000円で実施。9月29日まで受け付けています。

▽(別項2)経済産業省の「生産性向上設備投資促進税制」
設備投資の促進で生産性向上と経済の発展を図るために設置された税制措置。「先端設備」や「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」を導入する際に、「即時償却または税額控除5%」(2016年3月末日まで)、「特別償却50%または税額控除4%」(16年4月1日~17年3月末日まで)が認められるもの(現在は終了)。
今年度以降は、17年度税制改正によって「中小企業経営強化税制」が新設。認定計画に基づき取得した設備について(1)「固定資産税の特例」(固定資産税が3年間半分に)、(2)「中小企業経営強化税制」(法人税<個人事業主の場合は所得税>での即時償却または取得価額の10%の税額控除が選択適用)が受けられます。

全国商工新聞(2017年7月31日付)

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九州北部豪雨 店舗や自宅 被害甚大=大分・日田民商

会員見舞い機敏に対応

九州北部豪雨で被害を受けた地域を支援しようと、

全商連の磯谷吉夫副会長(左)に被害の状況について話す吉田直子さん

全国商工団体連合会(全商連)の磯谷吉夫副会長と今井誠常任理事は7月16日、大分県日田市を訪れ、日田民主商工会(民商)の被災会員を見舞いました。
日田民商では、会員数の約1割に当たる26軒が被災。市内の丸山地区で電器店を営む浦塚俊弘会長は、店舗浸水の被害を受け、商

の一部を水没させたのをはじめ、倉庫浸水、自宅土砂流入などの被害が出ています。
小野地区の吉田和彦さん、直子さん夫妻の所有

豪雨被災直後の吉田さんの倉庫の様子

する倉庫の横の河川は上流から流れてきた木々が橋桁や欄干に引っかかり、水があふれ、流木が倉庫を突き破りました。
「ボランティアが倉庫内の流木や土砂を片付けてくれたので助かった。水没した乾燥機やその他の農業機器が使用可能かどうかまだ確認できていない」と話します。
周辺は農地に土砂が流れ込み、河川の流れも変わっています。農業用の水路がどこまで破壊されているかも不明で、修復には相当の日時を要する

日田大鶴地区。鉄道も寸断される大きな被害に

と思われます。
「ライスセンターとして地域の農家から稲刈りやモミ乾燥などを請け負い、生計を立てているので、農業の被害が大きいと見通しが見えなくなる」と不安をのぞかせます。
伊藤晴康事務局長は、今回の豪雨は流木や倒木が被害を拡大させていると指摘。
「日田杉が有名で、スギの植林が広がっている地域。杉の人工林は根が浅く、国産材の価格低迷で間伐も行われていない。今回は短時間に記録的な雨が降り注ぎ、もろい地層と木々が崩れ落ち、川を埋めた」といいます。その上で、「直接被害に加え風評被害で3000件ものキャンセルが出るなど、観光業も大きな打撃を受けている。きめこまかく実態や要求をつかみながら機敏に対応をしていきたい」と話していました。
磯谷副会長は「融資や利子補給だけの支援では、店舗も住宅も被害を受けている業者は再建できないので、実情に合った支援を求めていくことが大事だ」と激励しました。

全国商工新聞(2017年7月31日付)

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「共謀罪」法が施行 違憲性知らせ廃止に追い込もう

先の通常国会で安倍政権が国民の大反対を押し切って強行成立させた「共謀罪」法が施行されました。「共謀罪」法は内心を調査し処罰対象にする憲法違反の法律であり、日本の刑法の大原則と相いれないものです。
これまでの刑法体系では、犯罪の具体的行為があって初めて処罰されることが基本でした。ところが「共謀罪」法は277もの犯罪を対象に、実際に事件が起きていない段階でも2人以上で「計画」し、うち1人が「実行準備行為」をしたと警察が判断すれば全員処罰できるという仕組みです。
中小業者に関しても、所得税法、法人税法、消費税法などが含まれ、節税対策の集まりが警察によって「脱税目的の組織的犯罪集団」だと恣意的に認定されれば、捜査の対象となり、逮捕される危険性は依然解消されていません。
安倍政権は、2013年の特定秘密保護法、15年の戦争法(安保法制)に加え、今回の「共謀罪」法と違憲立法を次々強行し、「戦争する国」づくりを加速させてきました。
しかし、国民・中小業者のたたかいで安倍政権は追い詰められています。横暴な国会運営、森友・加計学園問題などの国政私物化、憲法9条改憲発言など目に余る安倍政権のおごりに対し、先の東京都議選では自民党惨敗という有権者の厳しい審判が下されました。高い水準を誇っていた内閣支持率も30%台へ急落といわれる状況です。
法律が施行されても、これまでにも増して多数が結集した国会前行動や、全国各地での抗議などが行われています。私たち民商・全商連は「集まって、話し合い、助け合って、営業と生活を守る」ことを活動の原点としてきました。今後も、萎縮することなく、話し合いや助け合いを強めていくとともに、法律の違憲性を広く知らせ、発動させない世論をつくっていくことが重要になっています。
安倍政権の暴走を許さないたたかいと結び、秘密保護法も戦争法も「共謀罪」法も、国税通則法に組み込まれた「扇動罪」も、すべて廃止に追い込むため運動を大きくしていきましょう。

全国商工新聞(2017年7月24日付)

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年金事務所の強権的な徴収 猶予制度の適用を

全商連の要請に厚労省が回答

人件費を含んだ売掛金などの差し押さえをやめ、社会保険料の引き下げなどを求めた厚生労働省への要請

各地の年金事務所が社会保険料の徴収や差し押さえを強めている問題で、全国商工団体連合会(全商連)は6日、「社会保険料滞納に対する強権的な徴収をやめ、払える保険料への改善を求める」要請書を厚生労働省に提出しました。加賀茂副会長をはじめ各地の民主商工会(民商)から27人が参加。猶予制度の徹底や人件費を含んだ売掛金の全額差し押さえをやめることと併せて高すぎる社会保険料の引き下げ、減免制度の創設などを求めました。

扱いは国税と同様 不当事例は対処する

要請では「納付できないなら倒産しても構わない」な

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ど年金事務所が暴言を吐いている問題を訴え。(1)猶予制度の正確な周知(2)適正な手続きによる対処指導(3)生存権など憲法にのっとった制度の趣旨を理解させること(4)人件費を含んだ債権の差し押さえを正すこと、併せて納税緩和制度を知らせるための対策(5)社会保険料を引き下げ、減免制度や助成金制度の創設-を要請しました。
対応した厚生労働省厚生年金保険適用徴収専門官は「暴言をよしとしているわけではないので、直接連絡をもらえれば事実確認をして一つひとつ対処する」と約束しました。
その上で猶予制度の周知について「手引き、パンフレット、申請書の3点セットを年金事務所のカウンターに配置するように再度徹底する。パンフレットを郵送物と一緒に送付することを検討し、9月までに実施したい」と回答しました。
また、猶予制度の適用について「国税徴収法にのっとって、国税庁と同様の取り扱いをしている」ことを明らかにしました。
その上で、「申請型換価の猶予は、納期限から6カ月以内の納付分が該当するため、事業者にとって有利になる場合に活用してほしい」と回答。一方で「職権による換価の猶予は、社会保険料は毎月支払いがあるため1年間で納付する計画と担保が必要になるなど条件が厳しく、別枠で考えているためパンフレットにも掲載していない」などの問題点も明らかになりました。
滞納処分の停止に関して、延滞金の執行停止は「法律的にできないことはない。検討する」と回答しました。

怒りの告発相次ぐ 各地から改善訴え
担当者が代わり態度が急変する
要請では介護報酬や売掛金が差し押さえられている事例が各地から報告され、岐阜北民商からは2人の会員が告発。年金事務所と相談しながら400万円の滞納分を分納していた介護事業所を運営する会員は、4月になって担当者が変わり、7月までに完納しなければ介護報酬を差し押さえると通告されました。「毎月、当月分とは別に10万円を分納し、前任者は決算書(5月提出)ができたら今後の納付計画を相談しようと言っていたのに急に対応が変わった」と怒りをぶつけました。

約束ほごは問題確認と対応約束
建設業者の会員は得意先2社の売掛金が差し押さえられ、1社から取引中止を通告されました。経営難から滞納額が400万円に。年金事務所と相談し、毎月の発生分は口座振替にして滞納分は毎月3万円の納付を約束しました。
2月に入院し手術を受ける厳しい状況下でも、約束どおりに分納していました。
「来所通知書」(6月8日付)が配達証明で届いたことから、お金をかき集めて15万円を納付しようとしましたが、新しい担当者は受け取りを拒否し、400万円の年内完納を要求。「診断書を見せて働けないと訴えても聞き入れられずに売掛金を差し押さえられ、取引先を失った」と悔しさを訴えました。
徴収専門官は「年金事務所は約束したことを守らなければならない義務があり、一方的にほごにしてはならない」と年金事務所の対応を問題視し、事実経過を確認し対応することを約束しました。

社会保険料負担軽減してほしい
千葉・佐倉民商会員も介護報酬が差し押さえられました。同民商の井原雅子事務局長は「『換価の猶予』や請願書を出しても検討されずに納付できなければ差し押さえをすると言われた。中小業者にとって社会保険料の負担は重い。保険料を引き下げてほしい」と訴えました。

介護報酬の中に人件費含まれる
兵庫・神戸北民商の会員は納付不可能な金額で納付誓約書を書かされた上に介護報酬が差し押さえられました。兵庫県商工団体連合会(県連)の古跡健二事務局員は「差し押さえによって事業所がつぶれれば従業員は辞めざるを得なくなり、利用者も介護が受けられなくなる」と指摘。徴収専門官は「考慮しなければならない問題」と答えました。
また、「介護報酬の9割が従業員の給与。全額差し押さえることはできない」との指摘に対して、徴収専門官は「介護報酬の中に人件費は含まれる」「介護報酬で成り立っている事業所であることを把握しているにもかかわらず、いきなり全額を差し押さえるのは適当ではない」との認識を示しました。

全国商工新聞(2017年7月24日付)

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公庫で融資1250万円実現 ブルドーザー購入資金に=広島・福山民商

ブルドーザー購入資金に
1250万円の融資を受けて購入したブルドーザーと加賀さん

融資を受けてさらに商売を頑張ろうと70歳を過ぎ、1250万円の融資を受けてブルドーザーを購入した会員がいます。広島・福山民商副会長で全商連副会長も務める加賀茂さん=砂利採取。59歳で家業の株式会社親和を引き継いだ加賀さんから、融資実現の手記が寄せられました。

加賀 茂さんの手記
私は60歳近くになって親の商売を継ぎました。仕事は採石、砂利の採取業です。親の代だけでは採取場の後始末がつかないため、引き継いだわけです。

1250万円の融資を受けて購入したブルドーザーと加賀さん

70歳を超えてもうそろそろ引退、と思っていましたが、機械装置を修理したり、重機を買い替えたりするうちに、簡単に「終わり」とすることができなくなりました。
今年に入り辛抱しながら使っていたブルドーザーの寿命がきたように思われ、重機屋さんに相談すると「いいものが見つかったよ」と連絡を受け、写真を送ってもらい、検討の結果購入する決断をしました。
とは言うものの購入費用は1250万円。どうするか思案の末、福山民商に相談し4月、藤本順也事務局長にも同行してもらい、日本政策金融公庫(政策公庫)に1250万円の融資を申し入みました。
応対した融資課長に、(1)市内でも採石業者は少なく公共工事や建設関連の動向、他社と比べて値段が安いことなどから、需要はさらに増えること(2)会社員の長男が時間が取れるときに手伝ってくれ、将来的には後を継ぐこと(3)提供できるような担保がない-ことなどを説明。5月初旬に申込書と併せ、設備計画を基に作成した返済計画書を提出しました。
その4日後の5月12日、「融資することが決まりました。書類を送るので、記入押印の上、返送してください」との連絡があり、1週間後に申し込み通り、無担保で1250万円の融資(年利1.81%、1年据え置き5年返済)が実現しました。大変うれしかった1日でした。

「民商の運動の歴史が後押し」
今回の融資が実現したのは、一つは小規模企業振興基本法の成立で、国が私のような小規模事業者に対し目を向けざるを得なくなったこと。二つに福山民商は今年で創立66年を迎えますが、これまでの運動の歴史が、大きな力で後押ししてくれたと思いました。
これからも健康に気を配りながら、いっそう商売・民商運動を頑張っていこうと思っています。

株式会社親和では採掘した真砂土を大、中、小と3種類に選別します。加賀さんが溶接から組み立てまで自ら手がけた選別機で砂の塊をふるいにかけます。3ミリほどの細い砂(小)はゴルフ場や小学校の砂場や校庭、セメントなどに使用されます。4ミリ~7ミリの砂(中)はお墓やガーデニングに。20ミリ以上の砂(大)は、お寺の境内に敷き詰める砂として使われます。真砂土を3種類に仕分けするのは、加賀さん独自の技術です。

全国商工新聞(2017年7月24日付)

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原水爆禁止2017世界大会 歴史的転機にふさわしく成功を

国連は7日、核兵器禁止条約を加盟国の3分の2にあたる122カ国の賛成で採択しました。被爆者をはじめ、市民社会、非核保有国などが求めてきた条約の採択を心から歓迎します。
原水爆禁止2017年世界大会は、こうした歴史的な情勢のもと8月3日の国際会議に始まり、広島大会5日から6日、長崎大会7日から9日で行われます。
核兵器禁止条約は、人類史上初めて核兵器を違法化、悪の烙印を押し「核兵器全面禁止」へと進む条件を開くものです。条約には「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみと被害に留意する」との文言が入り、被爆者への支援も明確にしました。禁止条項には、開発、生産、貯蔵、実験、使用などに加え、核抑止力を意味する「使用の威嚇」が加えられています。核保有国の将来的な条約加盟を想定した手続きも盛り込まれ、核保有国や核兵器に依存する国の批准を迫る世論と運動が極めて重要になります。
安倍晋三政権と日本政府は、核兵器禁止条約に反対し、交渉会議も欠席してきました。米国に追随し世界の流れに逆行するのは、唯一の戦争被爆国にあるまじき態度であり、国内外から大きく批判されてきました。世界大会は、こうした態度をあらため、被爆国の政府としての役割を果たさせる重要な役割も担っています。
世界大会には、国連の代表、禁止条約の議論に重要な役割を果たした政府関係者、世界の反核平和運動の代表、国内で運動を広げる諸団体や個人が集まり、運動を交流、今後の展望を語り合う絶好の機会となります。例年を上回る参加者を世界大会に送るとともに、「平和でこそ商売繁盛」と要求を掲げ「ヒバクシャ国際署名」を大きく広げ、禁止条約を実効力あるものにすることが求められています。
この夏、国民平和大行進を成功させ、憲法9条改憲を許さず、戦争法、共謀罪を廃止・施行させないたたかいと沖縄・辺野古での新基地建設強行など、安倍政権の暴走を止め、平和・民主主義を守る運動を前進させ、世界大会を成功させましょう。

全国商工新聞(2017年7月17日付)

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特別徴収通知書に個人番号記載 対応に悩む自治体 全国実態調査=全商連

6都府県で過半数が不記載
全国商工団体連合会(全商連)は10日、住民税の「特別徴収税額の決定・変更通知書(特別徴収義務者)」にマイナンバー(個人番号)が印字されて郵送されている実態調査の結果をまとめました。6都府県で過半数の自治体が番号不記載等で送付。番号漏えいを危惧する自治体が多数存在し、住民の要求に応えて来年度からは番号不記載を宣言する自治体があることもが判明しました。
調査内容は(1)個人番号の記載・不記載(2)郵送方法(書留等・普通郵便)(3)目隠しシールの有無(4)用紙の形態-です。
「記載」が852自治体(48.9%)、「一部記載(下4桁のみ番号記載など)」が80自治体(4.6%)、「不記載」が115自治体(6.6%)、「アスタリスク」が79自治体(4.5%)。「一部記載」「不記載」「アスタリスク」を合わせると274自治体(15.7%)となり、群馬、埼玉、東京、大阪、奈良、山口の6都府県では、過半数の自治体が不記載等になっています。
また、番号記載を基本としながらも「給与支払報告書に番号が記載されていない場合は不記載」扱いにした自治体が若干数ありました。

書留の費用なく番号を不記載に
郵送方法は「書留」等が301自治体(17.3%)、「普通郵便」が757自治体(43.5%)、「特定記録」が24自治体(1.4%)、「レターパック」が12自治体(0.7%)でした。
「番号記載は漏えいの危険があり、書留は多額の費用を要する」「(書留など)予算がないため不記載にした」など、課税事務に必要ない番号記載に、多額の費用をかけられないことを訴える自治体もありました。
目隠しシールは、「有り」が45自治体(2.6%)、「無し」が925自治体(53.1%)。個人番号が不記載やアスタリスク表示であっても、目隠しシールを貼っている自治体が19自治体ありました。
用紙の形態については、「普通の用紙」が815自治体(46.8%)、「綴じ込み(圧着)」が120自治体(6.9%)、「その他」が11自治体(0.6%)。

見直しを3回も 負担増えて迷惑
不記載等にした自治体の中には、「情報漏えいの危険があるため」「財政的問題」などを理由に上げています。
また、記載した自治体の中には、「3回見直して発送した。負担が増えて迷惑」など、住民の大事な個人情報保護を優先しつつも、財政措置など負担に苦慮していたことをうかがわせる回答も寄せられました。
※調査は1741自治体(2016年10月10日現在・市町村と東京23区の合計)のうち1130自治体の状況を集計。調査期間は6月1日から7月10日現在で報告があったもの。全国の約600ある民商が自治体への聞き取り、もしくは決定通知書が届いた民商会員からの聞き取りによって実態を確認して調査しました。

全国商工新聞(2017年7月17日付)

 

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