岡山県商工団体連合会のブログです。県連からの連絡や会議、署名、全国的なニュースや情報をお知らせします。
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民主商工会(民商)の全国組織である全国商工団体連合会(全商連)は8月3日、創立66周年を迎えます。
民商・全商連運動の歴史は、中小業者の営業と生活、権利を守る「紆余曲折に満ちた苦難と創造の道のり」と表現されてきました。第2次世界大戦の敗戦直後から、荒れ狂う強権的徴税に毅然と立ち向かい、本紙・創刊の辞が示すように「中小業者の大同団結と平和的・民主的日本の建設に貢献する」という大志を持って歩んできました。
税制・税務行政の民主的な改革や経営環境の改善と経営力強化、平和・民主主義の擁護・発展と政治革新、要求実現の保障となる組織の拡大・強化などを一貫して追求してきました。
運動の力で実現できた成果の多くは民商会員だけでなく、広く中小業者全体に還元され、その社会的・経済的な地位の向上にも生かされてきました。要求の一致に基づく中小業者の共同を絶えず追求し、国民諸各層との連帯を重視してたたかってきたからこそ、民商・全商連の存在意義はいっそう高まっています。
いま、日本社会は「歴史的転換期」のせめぎ合いが強まっています。安倍政権が戦争法に続いて共謀罪を強行し、期限を切った9条改憲の策動や国政の私物化、沖縄新基地建設のゴリ押しなど、歯止めなき暴走を進める中で、中小業者・国民の間には危機意識と憤りがかつてなく高まっています。
そして「戦争法廃止・立憲主義回復」という一致点から市民と野党の共闘が広がり、個人の尊厳を守って憲法の先駆的価値を生かす多彩な取り組みが展開されています。
世論と運動こそ政治を動かす力です。経済の軍事化でアメリカに追随し、大企業の利益拡大を最優先する国策の根本的な転換が強く求められています。暮らしと平和に貢献する中小業者を正当に評価し、国民が希望の持てる経済社会の実現こそ、民商・全商連運動の使命です。
全商連創立66周年を機に、歴史的転換期に打って出る取り組みを発展させ、「拡大で悪政に反撃」のたたかいを大きく推進しようではありませんか。
「事業広げる力に」
名古屋南民主商工会(民商)会員で
「有限会社光南産業」を営む竹内一雄さん=建設機械修理=はこのほど、「名古屋市小規模企業経営力
強化設備投資補助金」(別項1)を申請し、新しい機械を購入。今年5月、購入費の10分の1に当たる115万円を獲得しました。申請から獲得までの流れをリポートします。
親の代から創業50年になる光南産業。売り上げが伸び、新しい機械が必要になりました。仕事仲間に相談すると、「自分も使ったことがある。挑戦してみては」と市の設備投資の補助金を紹介されました。
まずは、千種区吹上にある「名古屋市小規模事業金融公社」を訪れ、機械購入が補助制度の対象かどうかをチェック。3回ほど通い、サポートを受けながら事業計画書などの申請書類を書き上げて、2016年6月27日に提出。7月12日に名古屋市から認定の連絡がありました。
さっそくコンピューター制御のNC旋盤機を1150万円で購入。11月に納入され、資金繰りは、機械購入のための資金や融資で賄いました。
認定後は、「小規模企業経営力強化事業計画」を中小企業診断士の指導(無償)を受けながら作成。4月3日に交付書類の作成を終え、5月2日に115万円の満額の確定通知が届き、請求の後、振り込まれました。
また、今回は(1)償却資産(固定資産税)申告(2)経済産業省の「生産性向上設備投資促進税制」(別項2)の活用で、税の減免も行いました。
「時間はかかったが、市や銀行のサポート体制も良いし、事業計画づくりなどの力もついた」と竹内さん。「新しい機械で、これまでできなかった仕事もできるようになる。使いこなして戦力にし、事業を広げられたら」と展望を語っています。
▽(別項1)「名古屋市小規模企業経営力強化設備投資補助金」
10年以上継続して市内に本社を置く小規模事業者が、市内事業所に設置する機械設備などを取得する場合、対象経費の10%(上限300万円以内)を補助するもの。発注先も市内に本社を置く事業者に限る。
市の小規模事業者向け設備投資の補助金は6年前から開始され、17年度も予算7739万5000円で実施。9月29日まで受け付けています。
▽(別項2)経済産業省の「生産性向上設備投資促進税制」
設備投資の促進で生産性向上と経済の発展を図るために設置された税制措置。「先端設備」や「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」を導入する際に、「即時償却または税額控除5%」(2016年3月末日まで)、「特別償却50%または税額控除4%」(16年4月1日~17年3月末日まで)が認められるもの(現在は終了)。
今年度以降は、17年度税制改正によって「中小企業経営強化税制」が新設。認定計画に基づき取得した設備について(1)「固定資産税の特例」(固定資産税が3年間半分に)、(2)「中小企業経営強化税制」(法人税<個人事業主の場合は所得税>での即時償却または取得価額の10%の税額控除が選択適用)が受けられます。
会員見舞い機敏に対応
九州北部豪雨で被害を受けた地域を支援しようと、
全国商工団体連合会(全商連)の磯谷吉夫副会長と今井誠常任理事は7月16日、大分県日田市を訪れ、日田民主商工会(民商)の被災会員を見舞いました。
日田民商では、会員数の約1割に当たる26軒が被災。市内の丸山地区で電器店を営む浦塚俊弘会長は、店舗浸水の被害を受け、商
の一部を水没させたのをはじめ、倉庫浸水、自宅土砂流入などの被害が出ています。
小野地区の吉田和彦さん、直子さん夫妻の所有
する倉庫の横の河川は上流から流れてきた木々が橋桁や欄干に引っかかり、水があふれ、流木が倉庫を突き破りました。
「ボランティアが倉庫内の流木や土砂を片付けてくれたので助かった。水没した乾燥機やその他の農業機器が使用可能かどうかまだ確認できていない」と話します。
周辺は農地に土砂が流れ込み、河川の流れも変わっています。農業用の水路がどこまで破壊されているかも不明で、修復には相当の日時を要する
と思われます。
「ライスセンターとして地域の農家から稲刈りやモミ乾燥などを請け負い、生計を立てているので、農業の被害が大きいと見通しが見えなくなる」と不安をのぞかせます。
伊藤晴康事務局長は、今回の豪雨は流木や倒木が被害を拡大させていると指摘。
「日田杉が有名で、スギの植林が広がっている地域。杉の人工林は根が浅く、国産材の価格低迷で間伐も行われていない。今回は短時間に記録的な雨が降り注ぎ、もろい地層と木々が崩れ落ち、川を埋めた」といいます。その上で、「直接被害に加え風評被害で3000件ものキャンセルが出るなど、観光業も大きな打撃を受けている。きめこまかく実態や要求をつかみながら機敏に対応をしていきたい」と話していました。
磯谷副会長は「融資や利子補給だけの支援では、店舗も住宅も被害を受けている業者は再建できないので、実情に合った支援を求めていくことが大事だ」と激励しました。
子育て支援策の要請に市が回答
北海道・旭川民主商工会(民商)も加盟する
「子育て支援の充実を求める会」は6月1日、旭川市教育委員会と子育て支援部に要請・懇談しました。4団体から11人が参加。石川厚子市議(共産)、真嶋隆英市議(同)が同席しました。
教育委員会には(1)就学援助の入学準備金を小中学校ともに3月に支給すること(2)安心して給食が食べられるように保護者負担を軽減する給食費無償化・助成をすること-を求めました。
入学準備金について「中学生への3月支給は他
都市でも増えているので、市としても検討していきたい。小学生はシステム改修などの課題があるため、時間を要する」と回答。参加者は「就学援助について2月の入学説明会で丁寧に説明してほしい」など要望しました。
また、児童数に比べ就学援助の申請者が少ないことについて「対象ラインぎりぎりの人が増えたのではないか」と指摘。「子どものために働くシングルマザーが就学援助の対象から外れ、所得税や道・市民税などが課税されて生活が大変になっている」などの話を紹介し、制度の充実を要望しました。
給食費については「米粉使用のパンなど、地産地消のメニューには補助をしているが、給食費の無償化・助成は財政事情から厳しい」と回答。参加者は「各学校で給食費の納入状況によって給食の量が異なるのはおかしい。給食費の一部補助を考えてほしい」と訴えました。
子育て支援部には医療費無料化の(1)外来窓口負担助成を中学生まで拡充すること(2)所得制限を撤廃すること-を要請。「第8次総合計画でも子育て充実をうたっているので、将来的に行いたいと考えている」と回答しました。参加者は「中学生まで医療費を助成している東神楽や鷹栖、東川町など近隣市町に移り住む子育て世代が多くなっている」ことも示し、子育て支援策の充実を求めました。
先の通常国会で安倍政権が国民の大反対を押し切って強行成立させた「共謀罪」法が施行されました。「共謀罪」法は内心を調査し処罰対象にする憲法違反の法律であり、日本の刑法の大原則と相いれないものです。
これまでの刑法体系では、犯罪の具体的行為があって初めて処罰されることが基本でした。ところが「共謀罪」法は277もの犯罪を対象に、実際に事件が起きていない段階でも2人以上で「計画」し、うち1人が「実行準備行為」をしたと警察が判断すれば全員処罰できるという仕組みです。
中小業者に関しても、所得税法、法人税法、消費税法などが含まれ、節税対策の集まりが警察によって「脱税目的の組織的犯罪集団」だと恣意的に認定されれば、捜査の対象となり、逮捕される危険性は依然解消されていません。
安倍政権は、2013年の特定秘密保護法、15年の戦争法(安保法制)に加え、今回の「共謀罪」法と違憲立法を次々強行し、「戦争する国」づくりを加速させてきました。
しかし、国民・中小業者のたたかいで安倍政権は追い詰められています。横暴な国会運営、森友・加計学園問題などの国政私物化、憲法9条改憲発言など目に余る安倍政権のおごりに対し、先の東京都議選では自民党惨敗という有権者の厳しい審判が下されました。高い水準を誇っていた内閣支持率も30%台へ急落といわれる状況です。
法律が施行されても、これまでにも増して多数が結集した国会前行動や、全国各地での抗議などが行われています。私たち民商・全商連は「集まって、話し合い、助け合って、営業と生活を守る」ことを活動の原点としてきました。今後も、萎縮することなく、話し合いや助け合いを強めていくとともに、法律の違憲性を広く知らせ、発動させない世論をつくっていくことが重要になっています。
安倍政権の暴走を許さないたたかいと結び、秘密保護法も戦争法も「共謀罪」法も、国税通則法に組み込まれた「扇動罪」も、すべて廃止に追い込むため運動を大きくしていきましょう。