Q:差し押さえで従業員に給与を払えない

A:国会答弁生かし民法上の「先取特権」主張を

給与債権は民法(303条※)上、先取特権として位置付けられていますが、法的な保護は与えられていません。しかし、給与を含む売掛金の差し押さえは十分な配慮がされるべきです。国税庁は財産を差し押さえる選択にあたって「第三者の権利を害することが少ない財産であること」などを定めています(国税徴収法基本通達47条17)。「この第三者は民法上の先取特権を有する給与債権が含まれるべきで従業員の死活にかかわる差し押さえは慎重に行うべきです」(角谷啓一税理士)。
また、国会では衆議院財務金融委員会(09年2月24日)で佐々木憲昭議員(共産)が「税金は賃金を払った上で国が徴収するのが筋ではないか」と追及。与謝野馨財務相(当時)は「私が弁護士であれば労働債権は租税債権より先取特権があると主張する」「法の運用とは規範通りに適用するほかに、社会的妥当性が法概念として必要」と答弁し、労働債権の保護を事実上、認めました。
あきらめずに差し押さえの解除を求めましょう。
※民法303条「先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」

全国商工新聞(2017年2月20日付)より

 

Q:「催告書」や「差押予告書」が届いた時はどうすればいいの?

A:放置せず、納税の誠意を示し、分納相談を

納税が滞ると「催告書」や「差押予告書」などの文書が送られてきます。文書をそのまま放置しておくと、売掛金などを差し押さえされかねません。文書には必ず目を通して民商の仲間と一緒に必要な対策を立てることです。
大事なことは「納税の誠意」を示すことです。「納税の猶予」や「換価の猶予」が適用されるのは納税する意思があることが大前提になります。税金が納期限内に納められない場合は、納付計画を立て民商の仲間と一緒に税務署や自治体に分納相談をしましょう。
税務署などとの分納相談では、「納税の誠意」があることをしっかり伝えた上で

(1)なぜ、税金が納められなくなったのかの理由を説明できるようにする

(2)毎月いくら納められるのか、分納計画を示す

(3)その裏付けとなる収支状況表などを示して分納額が「精いっぱいの金額」であることを訴える

その上で「納税の猶予」や「換価の猶予」の適用を求める―ことが大切です。

窓口では「分納額が少ない」「増やさなければ滞納額が減らない」など徴収を強化しようとします。しかし、国税庁は「納税の猶予等の取扱要領」で「納税者の視点に立って、その申出の内容を十分に聴取し、納税の誠実な意思を有していると認められる場合などについては、換価の猶予等の活用を図るよう配意する」(国税庁長官通達・2015年3月)と明記していますので、通達に添った対応を求めましょう。