A:放置せず、納税の誠意を示し、分納相談を
納税が滞ると「催告書」や「差押予告書」などの文書が送られてきます。文書をそのまま放置しておくと、売掛金などを差し押さえされかねません。文書には必ず目を通して民商の仲間と一緒に必要な対策を立てることです。
大事なことは「納税の誠意」を示すことです。「納税の猶予」や「換価の猶予」が適用されるのは納税する意思があることが大前提になります。税金が納期限内に納められない場合は、納付計画を立て民商の仲間と一緒に税務署や自治体に分納相談をしましょう。
税務署などとの分納相談では、「納税の誠意」があることをしっかり伝えた上で
(1)なぜ、税金が納められなくなったのかの理由を説明できるようにする
(2)毎月いくら納められるのか、分納計画を示す
(3)その裏付けとなる収支状況表などを示して分納額が「精いっぱいの金額」であることを訴える
その上で「納税の猶予」や「換価の猶予」の適用を求める―ことが大切です。
窓口では「分納額が少ない」「増やさなければ滞納額が減らない」など徴収を強化しようとします。しかし、国税庁は「納税の猶予等の取扱要領」で「納税者の視点に立って、その申出の内容を十分に聴取し、納税の誠実な意思を有していると認められる場合などについては、換価の猶予等の活用を図るよう配意する」(国税庁長官通達・2015年3月)と明記していますので、通達に添った対応を求めましょう。
A:新設された申請型「換価の猶予」の積極活用を
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一時的に税金が納められなくなったとき、「納税の猶予」
(地方税は「徴収猶予」)や「換価の猶予」を活用することができます。
国民健康保険料(税)や社会保険料にも適用されます。
「納税の猶予」は
- 災害を受けた
- 生計を一にする親族が病気になった
- 事業を廃止または休止した
- 著しい事業の損失を受けた
―などの理由よって税金を納められなくなった場合、本人の申請によって1年間(最長2年)、納税を猶予するものです。
その期間中は新たな督促や滞納処分をすることができず、申請によって差し押さえが解除されることもあります。原則として担保が必要とされますが、猶予額が100万円以下などは必要ありません。
「換価の猶予」は、納税の意思がある納税者が(1)財産を換価(売却)することで事業継続や生活維持が困難になる恐れがある(2)換価するよりも猶予する方が徴収上有利であると認められたとき―のいずれかに該当する場合、1年間(最長2年)、財産の換価を猶予できる分納制度です。
税務署長などの職権による職権型「換価の猶予」に加えて、納税者が申請できる申請型「換価の猶予」が創設されました(2015年4月以降の納期限から適用)。申請型「換価の猶予」(下図参照)は納期限から6カ月以内の申請が必要で、6カ月を超える滞納がある場合は適用されません。その時は職権型「換価の猶予」の適用を求めましょう。
「換価の猶予」が認められると、その期間に差し押さえた財産の換価ができなくなり、差し押さえによって事業継続や生活維持を困難にする場合は差し押さえを猶予、解除することができます。
「納税の猶予」や「換価の猶予」が適用されれば、延滞税が免除されるか、1.7%(17年1月から)に減額されます。
単なる「分納」では延滞税は9.0%(17年の納期限から2カ月以上)ですので、本税に加えて延滞税の負担が重くなってしまいます。
全国商工新聞(2017年2月20日付)
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以下まだ未リンクです。
【参考ページ】換価の猶予 申請書記入のポイント