年金事務所の強権的な徴収 猶予制度の適用を

全商連の要請に厚労省が回答

人件費を含んだ売掛金などの差し押さえをやめ、社会保険料の引き下げなどを求めた厚生労働省への要請

各地の年金事務所が社会保険料の徴収や差し押さえを強めている問題で、全国商工団体連合会(全商連)は6日、「社会保険料滞納に対する強権的な徴収をやめ、払える保険料への改善を求める」要請書を厚生労働省に提出しました。加賀茂副会長をはじめ各地の民主商工会(民商)から27人が参加。猶予制度の徹底や人件費を含んだ売掛金の全額差し押さえをやめることと併せて高すぎる社会保険料の引き下げ、減免制度の創設などを求めました。

扱いは国税と同様 不当事例は対処する

要請では「納付できないなら倒産しても構わない」な

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ど年金事務所が暴言を吐いている問題を訴え。(1)猶予制度の正確な周知(2)適正な手続きによる対処指導(3)生存権など憲法にのっとった制度の趣旨を理解させること(4)人件費を含んだ債権の差し押さえを正すこと、併せて納税緩和制度を知らせるための対策(5)社会保険料を引き下げ、減免制度や助成金制度の創設-を要請しました。
対応した厚生労働省厚生年金保険適用徴収専門官は「暴言をよしとしているわけではないので、直接連絡をもらえれば事実確認をして一つひとつ対処する」と約束しました。
その上で猶予制度の周知について「手引き、パンフレット、申請書の3点セットを年金事務所のカウンターに配置するように再度徹底する。パンフレットを郵送物と一緒に送付することを検討し、9月までに実施したい」と回答しました。
また、猶予制度の適用について「国税徴収法にのっとって、国税庁と同様の取り扱いをしている」ことを明らかにしました。
その上で、「申請型換価の猶予は、納期限から6カ月以内の納付分が該当するため、事業者にとって有利になる場合に活用してほしい」と回答。一方で「職権による換価の猶予は、社会保険料は毎月支払いがあるため1年間で納付する計画と担保が必要になるなど条件が厳しく、別枠で考えているためパンフレットにも掲載していない」などの問題点も明らかになりました。
滞納処分の停止に関して、延滞金の執行停止は「法律的にできないことはない。検討する」と回答しました。

怒りの告発相次ぐ 各地から改善訴え
担当者が代わり態度が急変する
要請では介護報酬や売掛金が差し押さえられている事例が各地から報告され、岐阜北民商からは2人の会員が告発。年金事務所と相談しながら400万円の滞納分を分納していた介護事業所を運営する会員は、4月になって担当者が変わり、7月までに完納しなければ介護報酬を差し押さえると通告されました。「毎月、当月分とは別に10万円を分納し、前任者は決算書(5月提出)ができたら今後の納付計画を相談しようと言っていたのに急に対応が変わった」と怒りをぶつけました。

約束ほごは問題確認と対応約束
建設業者の会員は得意先2社の売掛金が差し押さえられ、1社から取引中止を通告されました。経営難から滞納額が400万円に。年金事務所と相談し、毎月の発生分は口座振替にして滞納分は毎月3万円の納付を約束しました。
2月に入院し手術を受ける厳しい状況下でも、約束どおりに分納していました。
「来所通知書」(6月8日付)が配達証明で届いたことから、お金をかき集めて15万円を納付しようとしましたが、新しい担当者は受け取りを拒否し、400万円の年内完納を要求。「診断書を見せて働けないと訴えても聞き入れられずに売掛金を差し押さえられ、取引先を失った」と悔しさを訴えました。
徴収専門官は「年金事務所は約束したことを守らなければならない義務があり、一方的にほごにしてはならない」と年金事務所の対応を問題視し、事実経過を確認し対応することを約束しました。

社会保険料負担軽減してほしい
千葉・佐倉民商会員も介護報酬が差し押さえられました。同民商の井原雅子事務局長は「『換価の猶予』や請願書を出しても検討されずに納付できなければ差し押さえをすると言われた。中小業者にとって社会保険料の負担は重い。保険料を引き下げてほしい」と訴えました。

介護報酬の中に人件費含まれる
兵庫・神戸北民商の会員は納付不可能な金額で納付誓約書を書かされた上に介護報酬が差し押さえられました。兵庫県商工団体連合会(県連)の古跡健二事務局員は「差し押さえによって事業所がつぶれれば従業員は辞めざるを得なくなり、利用者も介護が受けられなくなる」と指摘。徴収専門官は「考慮しなければならない問題」と答えました。
また、「介護報酬の9割が従業員の給与。全額差し押さえることはできない」との指摘に対して、徴収専門官は「介護報酬の中に人件費は含まれる」「介護報酬で成り立っている事業所であることを把握しているにもかかわらず、いきなり全額を差し押さえるのは適当ではない」との認識を示しました。

全国商工新聞(2017年7月24日付)

公庫で融資1250万円実現 ブルドーザー購入資金に=広島・福山民商

ブルドーザー購入資金に
1250万円の融資を受けて購入したブルドーザーと加賀さん

融資を受けてさらに商売を頑張ろうと70歳を過ぎ、1250万円の融資を受けてブルドーザーを購入した会員がいます。広島・福山民商副会長で全商連副会長も務める加賀茂さん=砂利採取。59歳で家業の株式会社親和を引き継いだ加賀さんから、融資実現の手記が寄せられました。

加賀 茂さんの手記
私は60歳近くになって親の商売を継ぎました。仕事は採石、砂利の採取業です。親の代だけでは採取場の後始末がつかないため、引き継いだわけです。

1250万円の融資を受けて購入したブルドーザーと加賀さん

70歳を超えてもうそろそろ引退、と思っていましたが、機械装置を修理したり、重機を買い替えたりするうちに、簡単に「終わり」とすることができなくなりました。
今年に入り辛抱しながら使っていたブルドーザーの寿命がきたように思われ、重機屋さんに相談すると「いいものが見つかったよ」と連絡を受け、写真を送ってもらい、検討の結果購入する決断をしました。
とは言うものの購入費用は1250万円。どうするか思案の末、福山民商に相談し4月、藤本順也事務局長にも同行してもらい、日本政策金融公庫(政策公庫)に1250万円の融資を申し入みました。
応対した融資課長に、(1)市内でも採石業者は少なく公共工事や建設関連の動向、他社と比べて値段が安いことなどから、需要はさらに増えること(2)会社員の長男が時間が取れるときに手伝ってくれ、将来的には後を継ぐこと(3)提供できるような担保がない-ことなどを説明。5月初旬に申込書と併せ、設備計画を基に作成した返済計画書を提出しました。
その4日後の5月12日、「融資することが決まりました。書類を送るので、記入押印の上、返送してください」との連絡があり、1週間後に申し込み通り、無担保で1250万円の融資(年利1.81%、1年据え置き5年返済)が実現しました。大変うれしかった1日でした。

「民商の運動の歴史が後押し」
今回の融資が実現したのは、一つは小規模企業振興基本法の成立で、国が私のような小規模事業者に対し目を向けざるを得なくなったこと。二つに福山民商は今年で創立66年を迎えますが、これまでの運動の歴史が、大きな力で後押ししてくれたと思いました。
これからも健康に気を配りながら、いっそう商売・民商運動を頑張っていこうと思っています。

株式会社親和では採掘した真砂土を大、中、小と3種類に選別します。加賀さんが溶接から組み立てまで自ら手がけた選別機で砂の塊をふるいにかけます。3ミリほどの細い砂(小)はゴルフ場や小学校の砂場や校庭、セメントなどに使用されます。4ミリ~7ミリの砂(中)はお墓やガーデニングに。20ミリ以上の砂(大)は、お寺の境内に敷き詰める砂として使われます。真砂土を3種類に仕分けするのは、加賀さん独自の技術です。

全国商工新聞(2017年7月24日付)

原水爆禁止2017世界大会 歴史的転機にふさわしく成功を

国連は7日、核兵器禁止条約を加盟国の3分の2にあたる122カ国の賛成で採択しました。被爆者をはじめ、市民社会、非核保有国などが求めてきた条約の採択を心から歓迎します。
原水爆禁止2017年世界大会は、こうした歴史的な情勢のもと8月3日の国際会議に始まり、広島大会5日から6日、長崎大会7日から9日で行われます。
核兵器禁止条約は、人類史上初めて核兵器を違法化、悪の烙印を押し「核兵器全面禁止」へと進む条件を開くものです。条約には「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみと被害に留意する」との文言が入り、被爆者への支援も明確にしました。禁止条項には、開発、生産、貯蔵、実験、使用などに加え、核抑止力を意味する「使用の威嚇」が加えられています。核保有国の将来的な条約加盟を想定した手続きも盛り込まれ、核保有国や核兵器に依存する国の批准を迫る世論と運動が極めて重要になります。
安倍晋三政権と日本政府は、核兵器禁止条約に反対し、交渉会議も欠席してきました。米国に追随し世界の流れに逆行するのは、唯一の戦争被爆国にあるまじき態度であり、国内外から大きく批判されてきました。世界大会は、こうした態度をあらため、被爆国の政府としての役割を果たさせる重要な役割も担っています。
世界大会には、国連の代表、禁止条約の議論に重要な役割を果たした政府関係者、世界の反核平和運動の代表、国内で運動を広げる諸団体や個人が集まり、運動を交流、今後の展望を語り合う絶好の機会となります。例年を上回る参加者を世界大会に送るとともに、「平和でこそ商売繁盛」と要求を掲げ「ヒバクシャ国際署名」を大きく広げ、禁止条約を実効力あるものにすることが求められています。
この夏、国民平和大行進を成功させ、憲法9条改憲を許さず、戦争法、共謀罪を廃止・施行させないたたかいと沖縄・辺野古での新基地建設強行など、安倍政権の暴走を止め、平和・民主主義を守る運動を前進させ、世界大会を成功させましょう。

全国商工新聞(2017年7月17日付)

特別徴収通知書に個人番号記載 対応に悩む自治体 全国実態調査=全商連

6都府県で過半数が不記載
全国商工団体連合会(全商連)は10日、住民税の「特別徴収税額の決定・変更通知書(特別徴収義務者)」にマイナンバー(個人番号)が印字されて郵送されている実態調査の結果をまとめました。6都府県で過半数の自治体が番号不記載等で送付。番号漏えいを危惧する自治体が多数存在し、住民の要求に応えて来年度からは番号不記載を宣言する自治体があることもが判明しました。
調査内容は(1)個人番号の記載・不記載(2)郵送方法(書留等・普通郵便)(3)目隠しシールの有無(4)用紙の形態-です。
「記載」が852自治体(48.9%)、「一部記載(下4桁のみ番号記載など)」が80自治体(4.6%)、「不記載」が115自治体(6.6%)、「アスタリスク」が79自治体(4.5%)。「一部記載」「不記載」「アスタリスク」を合わせると274自治体(15.7%)となり、群馬、埼玉、東京、大阪、奈良、山口の6都府県では、過半数の自治体が不記載等になっています。
また、番号記載を基本としながらも「給与支払報告書に番号が記載されていない場合は不記載」扱いにした自治体が若干数ありました。

書留の費用なく番号を不記載に
郵送方法は「書留」等が301自治体(17.3%)、「普通郵便」が757自治体(43.5%)、「特定記録」が24自治体(1.4%)、「レターパック」が12自治体(0.7%)でした。
「番号記載は漏えいの危険があり、書留は多額の費用を要する」「(書留など)予算がないため不記載にした」など、課税事務に必要ない番号記載に、多額の費用をかけられないことを訴える自治体もありました。
目隠しシールは、「有り」が45自治体(2.6%)、「無し」が925自治体(53.1%)。個人番号が不記載やアスタリスク表示であっても、目隠しシールを貼っている自治体が19自治体ありました。
用紙の形態については、「普通の用紙」が815自治体(46.8%)、「綴じ込み(圧着)」が120自治体(6.9%)、「その他」が11自治体(0.6%)。

見直しを3回も 負担増えて迷惑
不記載等にした自治体の中には、「情報漏えいの危険があるため」「財政的問題」などを理由に上げています。
また、記載した自治体の中には、「3回見直して発送した。負担が増えて迷惑」など、住民の大事な個人情報保護を優先しつつも、財政措置など負担に苦慮していたことをうかがわせる回答も寄せられました。
※調査は1741自治体(2016年10月10日現在・市町村と東京23区の合計)のうち1130自治体の状況を集計。調査期間は6月1日から7月10日現在で報告があったもの。全国の約600ある民商が自治体への聞き取り、もしくは決定通知書が届いた民商会員からの聞き取りによって実態を確認して調査しました。

全国商工新聞(2017年7月17日付)

 

換価の猶予活用広がる-ご相談はお近くの民主商工会へ

消費税が一括で払えないとの声が広がり、各地の民主商工会(民商)は「換価の猶予」制度を活用しています。「分納できるので負担が軽くなった」「延滞税率が低くなった」と喜ばれています。

粘り強く交渉重ねて
群馬・前橋民主商工会(民商)のYさん=廃棄物処理=は6月5日、税務署長の職権による「換価の猶予」を実現しました。猶予期間は1年、12回に分けて5万円ずつを納付します。「あきらめないで交渉することが大事。換価の猶予が実現してひと安心」と話しています。
Yさんは2014(平成26)年に職権により換価の猶予が実現し、その後も分割で納付を続けてきました。本税は滞納がなくなったものの延滞税が残っていました。
今年は55万円の消費税が発生しましたが、取引先が減って売り上げが確保できず、一括で納付できなくなりました。事務局員とも相談し、収支と家計の状況が分かる資料を作成して税務署と交渉。併せて延滞税も納税計画を示し、職権型「換価の猶予」が認められました。

民商に相談して申請
「確定申告はしたけれど消費税が一括で納められない」と悩んでいた京都・南民商のIさん=印刷=はこのほど、申請型「換価の猶予」を実現。4月から2020年3月まで12回に分けて5万円ずつを納付します。
下京税務署に55万円の消費税の分納を申し入れたところ、応対した署員から「換価の猶予」の申請書が手渡されました。
初めての申請に書き方が分からず民商に相談。事務局員と相談しながら「換価の猶予申請書」や「財産収支状況書」を作成し4月12日、提出しました。税務署から電話で銀行口座に関する問い合わせが一度ありましたが、5月16日、「換価の猶予許可通知書」と納付書が送られてきました。
Iさんは「初めてで少し戸惑ったけれど、民商で記入の仕方の相談に乗ってもらえたので意外と簡単だった。毎月、安心して納められる」と話しています。

全国商工新聞(2017年7月17日付)

県創業融資で200万円 粘り強く交渉重ね=広島・福山民商

広島・福山民主商工会(民商)の太田俊明さんは、県の制度融資を活用し6月初旬、200万円の創業支援融資を実現しました。今年に入って法人を設立したばかりで、「民商の応援もあって実現できました」と笑顔いっぱいです。
太田さんが4月に立ち上げたのは、総合建築業のヒューマン・フィーリングス株式会社。それまでは建築関係の会社に勤めていたものの「経験を生かして独立したい」と、創業したものです。
ところが、設立の費用が予定以上にかさんだこともあって、政策金融公庫に融資を相談しましたが、「融資の受付は会社登記が完了する5月22日以降になる」と言われました。
さまざまな支払い先もあり、焦りが生まれていた時に「融資の相談だったら民商」と、紹介してくれたのが、会員でもある知人の元石勝美さん=左官=でした。
事務所で相談に乗った民商事務局は、太田さんの悩みをしっかり受け止めながらも「焦る気持ちはわかるが、大事なのは今」とアドバイス。一緒になって事業計画を練り直し、広島県の制度融資(創業支援資金=融資期間5年、利率年1・1%)を活用し、200万円の運転資金融資を申し込むことにしました。
しかし後日、信用保証協会から「建設業許可を持っていないにもかかわらず、500万円の受注工事の明細書がある。これでは融資できない」と連絡が。太田さんは県庁の建築課に直接、「私の会社は元請けから一括して受注を受ける総合建築工事を行っている。1500万円までは建設業許可が要らないのではないか」と談判。自分の仕事内容を説明し、建築一式工事に該当することを確認しました。
この後、太田さんは民商と一緒にあらためて信用保証協会を訪問。仕事内容とともに、元請けや取引先からも信頼され、法人化した経緯を説明。保証協会の担当者も「県に確認し、融資の対象になるか検討し、再度連絡します」と回答しました。
そして6月9日、200万円満額の融資実行の連絡が届きました。太田さんは「応援していただいた皆さんの期待に応えられるよう頑張ります」と喜んでいます。

全国商工新聞(2017年7月17日付)

国家戦略特区で疑惑相次ぐ 国政私物化許さず適正な規制を

安倍政権が成長戦略の柱に据える「国家戦略特区」決定をめぐり、首相の友人が理事長を務める加計学園に首相らが便宜を図ったのではないかとの疑惑が深まっています。
首相の側近や内閣府が「総理のご意向」などとして、文部科学省に対し、愛媛県今治市への加計学園の獣医学部新設を認めるよう圧力をかけたとされるものです。
同学園には今治市が37億円の土地を提供し、県と市が総事業費のうち96億円も負担します。大阪府豊中市の国有地を格安で払い下げた「森友学園」問題など、‘国政の私物化’というべき数々の疑惑に、国民の怒りが大きく広がっています。
国家戦略特区とは、指定地域を「世界で一番ビジネスがしやすい環境」にするとして規制緩和や税制優遇を行う制度です。
加計疑惑のような問題が起きるのは国家戦略特区が、地方自治体が立候補・提案したそれまでの「構造改革特区」と異なり、首相が議長の特区諮問会議が規制緩和のメニューを策定し、それに見合った事業提案をした区域を特区に指定するトップダウン型で推し進められていることがあります(現在10区域)。
医療や雇用、教育、農業など、国民の生活、生命に直接関わる分野の現行システムを「岩盤規制」と称して規制緩和を推し進め、大企業のもうけを応援する点でも重大な問題をはらんでいます。
規制緩和のメニューでは、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」の大幅な拡大が検討され、医療分野を市場原理に一任しようとしています。また、雇用についても解雇自由や労働条件の上限規制の撤廃などをもくろんでいます。
こうした「一国二制度」の存在を認める規制緩和は、法治国家をゆがめ、憲法25条(生存権保障)、同27条2項(勤労条件の法定化)、同95条(特定の地域に適用される特別法は住民投票の過半数を要する)違反との指摘もあります。
国民の安全・安心を脅かす規制緩和に反対するとともに、中小企業・中小業者を本格的に支援するため、大企業の横暴を規制強化する公正な取引ルールの確立こそ求められています。

全国商工新聞(2017年7月10日付)

展示用軽自動車税を免除 3台分2万7300円=広島・三原民商

広島・三原民主商工会(民商)の兼森浩徳さん=自動車販売=は「商品であって使用しない軽自動車税等の課税免除制度」を活用し、3台分の展示用軽自動車の税金2万7300円が免除になりました。
2014年度「税制改正大綱」に基づいて「地方税法」が「改正」され、2015(平成27)年4月1日以降に車検を受けた車両の軽自動車税が1台7200円から1万800円に増税されました。
自動車販売・修理業者の間から「展示用車両にかかる軽自動車税が大きな負担になっている。他市では免除制度があるので三原市でも制度をつくってほしい」との声が上がり、民商では寺田元子市議(共産)と連携して三原市に制度創設を要望。こうした働き掛けが実り、昨年10月31日に同制度が創設されました。
「取り扱いについて」の案内文書が市内98事業者に送付され、三原自動車販売株式会社を経営する兼森さんの元にも届きました。
軽自動車税の負担を重く感じていた兼森さんは制度を活用するため、申請書類をそろえて3月末に三原市に申請書を提出。「書類に記入したり写真を撮ったりと、手間がかかったけれど、負担が軽くなってうれしい」と笑顔で話していました。

市町村に問い合わせを 申請期限に注意
中古軽自動車等販売業者が4月1日(賦課期日)において商品として所有し、販売を目的としている中古軽自動車等のうち、ナンバープレートの交付を受けているものでも要件を満たしていれば、申請によって軽自動車税の課税免除を受けられます。
対象は軽四輪車、軽三輪車、軽二輪車(125cc超~250cc以下のバイク)、二輪の小型自動車(250ccを超えるバイク)。
主な要件は販売業者が商品として古物営業法第16条に規定する古物の帳簿等に記載し、かつ展示しているもので販売を目的としたものであること。所有者および使用者の名義が軽自動車の免除を受けようとする販売業者と同一の名義であること。用途が社用車、試乗車、リース車、営業車、代用車、レンタカー等の事業用でないこと-などです。
毎年、申請期限があり、それを超えると適用されませんので、注意が必要です。詳しくは市町村に問い合わせをしてください。
また、展示用普通自動車税の減額制度は都道府県税になりますので、都道府県に問い合わせをしてください。

全国商工新聞(2017年7月10日付)

税務調査で脱税“自白”を強要 仲間とたたかい是正=広島・福山民商

税務調査で脱税“自白”を強要 仲間とたたかい是正=広島・福山民商

納得の税額で終了
事前通知もなく突然、税務署員が自宅を訪れ、勝手にパソコンや寝室の引き出しの中を調べるという不当な税務調査を受けた広島県福山市の橘高直樹さん=遊漁船。福山民主商工会(民商)に入会し、納税者の権利を学んで調査に立ち向かい、5月23日、納得のいく内容で調査を終了させました。「自主記帳を貫くことと、民商の仲間を信頼して一緒に調査をたたかうことの大切さを実感した。民商の仲間に出会て本当に良かった」と確信を深めています。

質問応答記録書に抗議

Photo
民商の仲間と一緒に税務調査を乗り越えた福山民商の橘高さん(右から3人目。その左隣が浜田さん)

 福山税務署の署員が突然、自宅を訪ねてきたのは昨年8月6日。初めての調査で頭が真っ白になった橘高さんは、パソコンの中や棚の資料、寝室の引き出しを調べる署員に何も言えず、「消費税を少なくするために売り上げを少なく申告した」と書かれた質問応答記録書への署名押印を強要されました。署員は帰り際、「貯金がいくらくらいあるか分かっていますか?」とニヤリと笑って資料を持ち去りました。
知り合いに話し民商を紹介され
悪夢のような出来事を知り合いに話すと「民商に相談してみたら」と言われ、翌日には事務所を訪ねて入会。すぐに事務局員と一緒に税務署に出向いて資料を取り戻しました。
民商では対策会議が開かれ、常任理事の岡崎貞子さんから「税務署が来ても何も恐れることはないよ」と励まされました。
その日から橘高さんは民商の税金パンフや税務運営方針、国税通則法、国家公務員法、浦野広明税理士の著書を読んで学習。知れば知るほど自分への調査が違法な調査であることが分かり、調査以降、体調を崩した父や妻の状況を考えると怒りが収まらず、「負けてたまるか」との決意を強くしました。
銀行に反面調査 子どもの通帳も
税務署は2回目の調査を10月3日と決めたにもかかわらず、承諾なしで銀行への反面調査を行い、子どもの通帳まで調べました。橘高さんは11人の民商の仲間と一緒に抗議し、質問応答記録書に「まともな精神状態でなく、言われるように答えさせられ、真実ではない」との文言を付記させました。
2013(平成25)年から3年間の申告について6回ほどの調査が行われ、その度に民商の仲間が立ち会い、橘高さんは乗船記録やガソリン代の経費を示して実額を主張。その結果、3年間で所得税と消費税を合わせて52万円の追徴となりましたが、橘高さんは納得して修正申告に応じました。
調査に立ち会った同じ誠之支部の浜田利彦さん=清掃=は「調査のやり方がひどくて落ち込んでいた橘高さんを心配したけれど調査のたびに橘高さんが成長し、自分の主張を貫いてたたかう姿は頼もしく感じた。調査に負けないために、よく学ぶことと仲間の知恵を集めることが重要だとあらためて感じた」と話していました。

全国商工新聞(2017年7月3日付)